タイトルバック〜曲「カリオカ」
「空中レビュー時代」(33年)の中で、フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースが唄った「カリオカ」を、思いっきりヘタクソにカヴァーしたもの。
CM「アルゴン石油」
アルゴン石油会社の石油は、油がギトギトなことが悪評のアメリカ製「ケンタッキー・フライド・チキン」から採取できると説明して、「ケンタッキー・フライド・チキン」をチクっている。ちなみにライバルの「CHURCH’S」や「POPEYES」は、「良質の油を使っているから、時間がたっても油臭くならず、味が落ちず」ということをアピールしている。また、テイクアウト用の箱も油が染みないように出来ている。そんなことも考えてみると、ここでは「ケンタッキー〜」を一点集中攻撃していることも明らかだ。
AM.トゥディ
当時のNBCのモーニング・ショーのパロディ。事件現場のリポーターへスタジオからの声がつながらず、そうとは知らぬ リポーターのマヌケぶりが画面に映ってしまう。この「音声不通ギャグ」は、日本のスネークマン・ショーのビデオ「スネークマン・ショー〜楽しいテレビ」にパクられた。スネークマン・ショー版は「SMNニュース」と「現場の駒田さん」のやりとりがつながらない。その後、スタジオで大暴れするゴリラは、着ぐるみの中に特殊メイクの巨匠リック・ベイカーが入っている。また、ゴリラに板きれでKOされるTVディレクターらしき男は、ジョン・ランディス。ベイカーとランディスのコンビネーションは、ランディスの長編映画初監督作「シュロック」(73年)に続き、これが2度目。なお、ゴリラの名前は、ディノといい「キングコング」(76年)をリメイクした大プロデューサーのディノ・デ・ラウレンティスのパロディ。
ニューカー
当時は、車のセイフティ・チェック・システムが新しかった。ドライバー役を演じているは、デヴィッド・ザッカー。
カトリック女子高校生の災難
かつてハリウッド・メジャー・スタジオを仕切っていたサミュエル・ゴールドウィンとデヴィッド・O・セルズニックの二人のユダヤ人の名前を合わせたような「サミュエル・L・ブロンコウイッツ」が贈る大作映画の予告編(もちろん、パロディ)。黒人差別 を描いた「マンディゴ(ディノ・デ・ラウレンティスの製作)」(75年)や、ポルノ史上に輝く2大ヒット作「ディープ・スロート」(72年)と「グリーン・ドア」(73年)もネタに使われている。ちなみに、「カトリック女子高校生の災難」の出演女優の「リンダ・チェンバース」は、「ディープ・スロート」のリンダ・ラブレイスと「グリーン・ドア」のマリリン・チェンバースの二人の主演女優の名前のサンプリング。「ナンシー・ガームズ」は、「ディープ・スロート」などで「超巨根男優」として一世を風靡したハリー・リームズの名前のもじりだ。ってな具合に、ハードコアではあるけれど、女優たちのリアクションは、ちゃんとカトリックの流儀をわきまえているところがエラい。「YOU WILL CREAM IN YOUR JEANS WHEN YOU SEE」とうコピーの「CREAM」とは、スラングで、ザーメンのこと。なお、エッチづらで登場している男は、「ケアレス」「哀愁マンハッタン」などのアルバムを発表し、グラミー賞最優秀新人賞を受賞したこともあるシンガー・ソングライターのスティーブン・ビショップ。ビショップとランディスは仲良しらしく、ビショップは「アニマル・ハウス」(78年)と「ブルース・ブラザーズ」(80年)にも出演している。また、ナショナル・ランプーン一派とも親しい。
感じる映画
劇場内の空気を音響で振動させ、観客に揺れや移動感などを体感させる音響システム「センサラウンド」のパロディ。「センサラウンド」を導入した映画には、「大地震」(74年)を最初に、「ミッドウェイ」(76年)、「エクソシスト2」(77年)などがあった。ここでは、劇場の案内係が直接タッチでいろいろとサービスして感じさせてくれるわけだ。「ビッグ・スロート」(字幕では「悶絶・地獄攻め」)とは「ディープ・スロート」のパロディ。喉にクリトリスがあるというヒロインが、フェラでしか感じなくなるのが元ネタなので、案内係も男性客にもフェラのサービスもしましょうということ。上映中の映画に名前の登場するザザ・ガボールとは、スキャンダルとゴシップの方が有名だった女優です。それと、劇場の看板にある「SEE YOU NEXT WEDNESDAY」は、「ブルース・ブラザース2000」(98年)を除く、ランディスの映画に必ず登場するお約束のフレーズ。映画館に入ると、「シュロック」のポスターが貼ってある。この光景は、ランディス演出のマイケル・ジャクソンのビデオ「スリラー」でリメイクした。
頭痛薬「ナイテクス」
ジェリー・ザッカーが演じる頭痛薬のパロディ。ネタになっているのは、目覚めると、頭の重い感じがして、スッキリ目覚められない(人によってはだけど)の睡眠促進薬「ナイトール」。
ハイ・アドベンチャー
60年に日本テレビでも放映されていた冒険ドキュメント番組「ハイ・アドベンチャー」のそのまんまパロディ。当時は白黒番組ばかりだったのに、この番組はカラー放送ということで人気を集めた。さて、登場するフランス訛りのクロード・ラモンは海洋学者としても知られるフランスの監督ジャック・イブ・クストー(ルイ・マルとの共同監督の海洋ドキュメント「沈黙の世界」(56年)が有名)をパロっている。
頭痛クリニック
頭痛薬大国のアメリカらしい頭痛薬全般のCMパロディ。演じるのは、テレビ・シリーズ「超人ハルク」(日本でも78年から日本テレビ系でオンエア)の主人公役で人気を博したビル・ビクスビー。
芳香剤のパロディ
芳香剤のCMのパロディ
セックス・レコード
「正しく明るいセックスのやりかた」をハウ・トゥして、75年に大ベスト・セラーになった「ジョイ・オブ・セックス」を、レコードに置き換えたパロディ。音楽が、バート・バカラックをパロっているのも笑える。そして、さぁ、これから! という時に何度もかかるファンファーレは、ランディスの好みらしく、ランディスがホラーの予告篇を集めて演出したテレビ・スペシャル「COMING SOON」(かつて日本ではビデオ発売された)でも使ったもの。このファンファーレの後に登場するマッスル・キャラの「ビッグ・ジム・スレイド」は、芝居版の「ケンタッキー・フライド・シアター」の人気キャラだった。
ドラゴン イカレの鉄拳
タイトルは「ドラゴン怒りの鉄拳(原題「FIST OF FURY」)」(72年)のパロディで、ストーリーやキャラ(カメラ・アングルなども)などは、もちろん「燃えよドラゴン」(73年)などのパロディ。さらに、ターザンの叫び声もネタになっているし、悪の組織のアジトの近所の風景が、突然、アフリカ(?)風になっているのは、「007カジノロワイヤル」(67年)に登場した同じビジュアル・ギャグへのリスペクト? 「007」ネタでは、凶器仕込みのシルクハット攻撃や、ルーが地下工場へ潜入して警備犬とたわむれるエピソードが、「007ゴールドフィンガー」(64年)のパロディ。ゴジラのおもちゃが登場するのは、ゴジラ・マニアのランディスの趣味といったところ。そして、ハッピー・エンディングは、「オズの魔法使い」(39年)のパロディ。なお、クランが「デトロイトへ連れて行くぞ」と脅迫するのは、当時、日本車の大量 輸出のせいで、自動車生産都市デトロイトの失業率が高くなり、職を失い職に就けない人が多かったことを風刺している。ところで、ルー役を演じたイバン・キムとクランの“マスター”ボン・ソー・ハンは、実際にカラテやマーシャル・アーツのインストラクターとして活躍した人たち。テレビにも出演してパフォーマンスを披露するなど、けっこうな人気者だった。
ウィラー・ビール
ハレ・クリシュナ教は、ビートルズやフラワー・チルドレン、ヒッピーなどから指示を集めたこともあった。しかし、路上で通 行人に機関誌や花などを強引に売りつけたり、迷惑も考えず突然ツッコミを入れてきたりと、ひんしゅくを買っている。いまでもワイキキのメインのカラカウア通 りなどにも出没。な〜んも知らんノーテンキな日本人観光客をカモにしている。さて、パロディの方は、一仕事終えたハリ・クリシュナ教の連中が酒場に直行、セクハラをしながら飲むビールは、おなじみ「MILLER BEER」ならぬ「WILLER BEER」。MとWを逆にし、当時のミラー・ビールのCMのパロディになっている。
ゲーム「スコット・フリー」
大統領が暗殺され、重要参考人が次々と死んだり、スクープ写 真を「LIFE」誌が買い取ったり、といったゲーム展開になるところは、JFK暗殺とその謎、そして、メディアの反応をパロっている。
ザッツ・アルマゲドン
「アルマゲドン」(98)年のパロディじゃないです。「タワーリング・インフェルノ」(74年)や、「大地震」(74年)、「ポセイドン・アドベンチャー」(72年)などの70年代のディザスター・ムービーの複合パロディだ。「タワーリング〜」でポール・ニューマンが演じたビル設計者の役(そのロマンスの相手役は、フェイ・ダナウェイが演じた)をパロって演じている役者は、「2代目ジェームズ・ボンド」としてシリーズ6作目の「女王陛下の007」(69年)に出演した(シリーズ中、これ1本だけ)、オージー俳優のジョージ・レーゼンビー(現在は、<あの人はいま>の世界)。ウェイター役でボケをかますのは、なぜこの作品に出演したのか理由不明の「カサノバ」などの名優ドナルド・サザーランド(キーファーのお父さん)。タイトルは、「ザッツ・エンタテインメント」(74年)のパロり。「ザッツ・ポルノ」だとか、「ザッツ〜」というタイトルが、一時流行った。
死者の権利を守る会
擁護団体全般のCMのパロディ。「ナッシュビル」(75年)の右翼の大物カントリー・シンガー役や「ブルース・ブラザーズ」のネオ・ナチのボス役などを演じたヘンリー・ギブソンのハマリ役。
大法廷
「十二人の怒れる男」(57年)や、50年代のテレビの法廷ドラマ、法廷でのやりとりをライブで伝える「コート・テレビ」など、50年代の「法廷物」全般 をネタにしたパロディ。アナウンサー役は、ジム・エイブラハムズ、JFK暗殺事件の容疑者オズワルドならぬ グルンワルド役が、デヴィッド・ザッカー。傍聴席でシンシナティ・レッズの帽子をかぶっているガキのビーバーちゃん役は、7歳の子役ジェリー・メーザーが演じた。ザッカーのパロったビーバーちゃんの隣にいる兄貴のウォーリーは、元ネタのテレビでも同じ兄貴のウォーリー役を演じたトニー・ダウ。速記係が付けるマスクは、マルクス兄弟のグルーチョ・マルクスや、初代ナッティ・プロフェッサーなどの名コメディアン、ジェリー・ルイスの顔そのもの。なお、「法廷クイズ」の中で、男の職業を当てるところで使われている「SPOON」という言葉には、スラングでクンニのうまい男という意味がある。
ネッスン・オイル
これも実名の商品のブラックユーモアなパロディ。
クレオパトラ・シュワルツ
これはすごい! 当時、早々と「ブラックス・プロイテーション(早い話、黒人客を対象とした黒人キャストによるエンターテーメント・ブラックシネマ。70年代に「黒いジャガー」などが流行った)」のパロディをしていたとは。ネタになっているのは、パム・グリアーと並ぶ「ブラックス・プロイテーション」のクイーンだったタマラ・ドブソン出演のクレオパトラ・ジョーンズ・シリーズ。「ダイナマイト諜報機関クレオパトラ・カジノ征服」(75年)と「クレオパトラ危機突破/ダイナマイト諜報機関」(73年)の2本が日本公開された。両作とも、ヒロインの黒人女性探偵クレオパトラ・ジョーンズが、大活躍のアクションを演じている。なお、当時、クレオパトラ・ジョーンズのハードコア・パロディ映画も作られたくらいだから、オリジナルの人気の高さも納得出来ると思う。パロディ版クレオパトラの相棒シュワルツがユダヤ人のラビというキャラになっているのは、黒人とユダヤ人への人種差別 への痛烈な風刺だ。
酸化亜鉛とあなた
暮らしの知恵に関するテレビ番組と、教育映画のスタイルを合体させたパロディ。
危険を求める男
スタント・オートレーサーとして活躍し、スタントマンを描いたアクション映画「ビバ・ニーベル」(77年/シリアスな役者時代のレスリー・ニールセン共演!)の主演も務めたイーブル・ニーブルそのまんまのファッションの男が登場。ニーブルがMCとスタントの実演を演じたドキュメント番組「DANGER SEEKERS」のパロディだ。このパロディには、ウディ・アレンを意識した男も登場する。
ニュースの焦点
ABCテレビで放送されていた「EYEWITNESS NEWS」をモチーフにしたパロディ。事件の目撃者からのライブな証言で事件を再現したニュース番組だった。現在の「タブロイド・テレビ」の類いのルーツのようなもの。エロな現場を目の当たりにする3人の目撃者は、ザッカー兄弟とエイブラハムズ。