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―この映画の着想はどこから得たのですか?これまで私が監督してきた映画全てにおいて、私は時代のコンテクストの中、あるいは一定の歴史の中に自分を投影してきた。そういうやり方はすでに、"PINOT, SIMPLE FLIC"や『パリの天使たち』でやってきている。私は常に別の人間を演じるというのはどういうことなのか、自問自答しているんだ。つまり、もし自分がジェラール・ジュニョではなくて、警官であったり、ホームレスであったり、今回に限っていえば、戦時中の一介の商人であったりした場合、どんな風に反応するかということを考える。私は、広く言えば歴史全般に惹かれるし、特にこの時代に惹かれるんだ。若かった頃は『パリ横断』『影の軍隊』を見て育った。フランスの映画人の大多数は、この時代についての映画を作ってきたし、これからも作るだろう。この時代は完全に過去のものとはなっていない。現実に、当時を生きた人々にも、ドキュメンタリーやフィクションでそれを知っている人々にも深い刻印を与えている。 パリで撮影していた時、人々はナチスの旗やドイツの軍服姿の俳優たちを見て動揺していた。なぜか? この他にも、多くの死者を出した戦争はあったのに。説明はこうだ。大量のユダヤ人の強制収容所送りの中にそれらの戦争を見いだすことは出来る。そして、初めてフランスは占領された。そして、多くの人々は好むと好まざるとに関わらず、対独協力をした。あの時代は、まだ疼く傷で、未だにそれを癒すことはできない。 ―あなたは、いかにも度し難い典型的なフランス人を、繰り返し演じ続けています。彼らはふとした偶然から、自分ではどうにも出来ない事件に巻き込まれていくのですが、1作ごとにそうした役は進化し続けています。ここでは、エドモン・バティニョールという豚肉屋兼惣菜屋の男がヒーローになります。冒頭では自分の周囲で起きていることなど全く気にかけず、利用することだけを考えていたのに。 大半の映画で私が演じるのは、非常に受け身で、状況に流されやすい男だ。だが、どの作品でも私はヒロイズムと尊厳を探し求めている。なぜ、あるいは、どのようにして人は善人となるか悪人となるかを知ろうとする。この作品では、エドモン・バティニョールは自分の立場を選び、行動しなければならない。だが、彼は本当にそれを選んだのだろうか?人から、自分にとても勇気があると知らされると、彼はこう答える。「偶然ですよ」と。私の母方の祖父は肉屋だった。私の人生に多くを与えてくれた人だ。彼は1947年に破産したんだが、ごく最近になって私は気づいたんだ。戦争中に、食料に関わる仕事をしていて、破産するというのは、本当に立ち回り方が下手だったってことにね……。それで余計、彼に同情した。私は母にそのことを話したんだが、彼女は私ほど同情的ではなかったね。それも当然で、母は耐乏生活を強いられたわけだし、金銭面でも世渡りの面でも苦労したからだ。彼女はとても自然に、何ら非難する口調も交えず、こう答えた。「ああ、あの人は本当にうまく立ち回ることを知らなかったのよ。でも、当時は何とでも出来たはずなのに……」。この映画は、祖父のことを考えながら作ったんだ。 ―あなたは、味わい深い人物をたくさん描いています。ひどい人間たちもいれば、善悪半々の人たちもいる。そして状況に合わせて、彼らは変化していきます。たとえば、管理人の女性です。彼女は心ならずもシモンの従姉妹である2人の少女を救いますね。不安定な時代において私を魅了するのは、出会った人間に対して、道徳的な疑問を投げかけざるを得ないことだ。彼らは何者だ? 信頼出来るのか? 誰がどちらに転ぶのか全くわからない。私はパラドックスを押し進めて、善人役を強面の俳優に、悪人役を親しみやすい顔の俳優に演じさせた。これは面白かったよ。バティニョール氏は陽気な外見だが、見かけ通りじゃない。弱い人間だ。映画史の中では、フランス人全員がレジスタンス派で融和派でド・ゴール派に描かれるという時代があった。1969年の"LE CHAGRIN ET LA PITIE"(マルセル・オフュルス監督作品)まで、それは続いた。あんなに英雄だらけで、戦争に負けることなんて出来たのかと皆が思ったものだよ。それから1970年代に入ると、今度は誰もが卑怯な対独協力者という描き方になった。今はもう少し客観的になっている。10パーセントの英雄と、10パーセントの真の卑怯者と、残りは全てが過ぎ去るのを待ちながら、何とか食料を手に入れて生き延びようとしていた。若者は若者らしく生きたいと望んでいた。バティニョールの娘のように、今起きていることを深く考えようとせず、とにかく何とか楽しもうとしていたんだ。映画の冒頭で、店に来た女性客が辛辣な口調で「でも、考えてみるとね」とバティニョールに言うと、彼は「私みたいにやりなさい。考え過ぎちゃ駄目だ」と答える。多くの人が合法性を隠れ蓑にした。映画のラストで憲兵が言うだろう。「法律は法律だ」と。たとえそれが悪法であっても。合法性を隠れ蓑にしなかった人々は立派なものだ。 |
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2002年度作品/フランス映画/上映時間:103分/カラー/シネマスコープ/ドルビーSRD 後援:フランス大使館文化部/提供:ニューセレクト/協力:JTB/OZOC/NEWS DELI/TEAM OF BEAT*EN/配給:アルバトロス・フィルム |
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