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アルバンテナ
身体表現の魅力

<今年はダンス!>

最近、様々なダンスが盛り上がっている。ストリート系ダンスはレゲエやらヒップホップは勿論の人気だが、映画「ライズ」も公開され、新しいジャンルも加わり益々注目されていくことだろう。

クラシック・バレエは日本ではすっかり定着しており、ファンも多い。というか皆なんでそんなにクラシックが好きなのかね、って言うくらいの安定した人気ぶりである。

ダンス雑誌「DDD」が発刊され、ピックアップされるジャンルは多岐にわたり、活躍している人々の情報も容易に入ってくるようになってきた。
新潟を本拠地としながら注目を浴びるカンパニー「Noizm」を率いる金森穣。彼と最近コラボした、気鋭のタップダンサー 熊谷和徳。タップでは世界最高ダンサーと言われるセヴィアン・グローバーの来日もある。パフォーマンス系(と言って良いかどうかわかりませんが)グループ「コンドルズ」「珍しいキノコ舞踏団」、古くからある六本木「金魚」でのオカマダンサーたち(すんばらしい仕掛けと踊りっぷり!)。フラメンコではラファエル・アマルゴの来日などもある。

いやほんと書き尽くせませんが、全部ひっくめてみると、ダンスは実はメジャーであると感じてます。


<熱い思いを感じた!>

昨年12月、五反田ゆうぽうとで開催されたIDA(インターナショナル・ダンス・アカデミー)主催のダンス大会を見てきた。
ヒップホップ、レゲエ・ヒップホップ、ジャズ、ハウス、ロッキング、ソウルなど、いろんなスタイルで皆踊りまくる姿に思わず熱くなる私がいた。
この時はL.A.からダンサーのRoRoが来日しており、ものすごいテクニックを披露してくれ感動。大会が終わって握手させていただきました(ウレシイ)。ストリート系はやはりカッコいいのお。


<ウィリアム・フォーサイス、ピナ・バウシュが来日する!>

様々なダンスの盛り上がりに触れつつ、語っていないのがこの2つのグループ。
ピナ・バウシュは前にブログで少し触れましたが、今春来日するので改めて書いてみようということにし。

これら2つはいわゆるコンテンポラリー・ダンスというジャンルにはいるのだろうか・・・。まあジャンルはなんでもいいか。

ウィリアム・フォーサイスは1984年以来率いてきたフランクフルトバレエ団を2004年7月に解散後、彼自身のカンパニー、The Forsyth Companyを結成して05年1月から活動を開始し始める。
そして結成したカンパニーとしての初の来日、この2月28日(火)から公演が彩の国さいたま劇場で始まる!これはバレエ・ファンは皆、超注目してる公演です。
最近、フォーサイスの映像を改めて見直してヒエー、凄すぎる!!!と感じてしまい、一般人として(私はダンス、バレエは好きですが、全く詳しくない)なんと表現すればいいのかなあ、と考えてみたくなりまして。(それにしても映像は繰り返して見られるので、ホントにウレシイと思いました。
公演は1回きりですので、その素晴らしさを繰り返すことができるというのはやはり貴重)フォーサイスの理論とダンサーたちの圧倒的な技術力が合体したことから何が始まったのだろう・・・。
表現できない、もどかしい・・・。少し何かヒントをと思ってネットで検索。
そして浅田彰氏の言葉を発見「フォーサイスの衝撃―21世紀のバレエへ向かって」から、「・・・その後のフォーサイスはアポロン的なエクスタシーに到達したと言ってよい」とある。???最初はよくわからないなあと思っていたのですが、フォーサイスダンスを見てるときに私が感じてる状態は言うなれば涎を垂らしつつ、手で涎が落ちないようにしてる、ということでしょうか。
完全に統御された身体表現の凄さを一瞬たりとも見逃せないという緊張感を感じつつ、なぜかものすごく気持ちいい・・・。ということなんですね。
このなぜか気持ちいい部分はカタルシスを感じてるということ?その予想できない動きだけど恐ろしく滑らかで(体、腕、脚、全てが)かつスピードと切れがあって気持ちいいのです。
一人々の踊りもそうですが、二人での踊りには即興のようなやりとりも入ってさらにスリリングになってる。男性が女性のジャンプを抱えて降ろすところだけとっても(すみませんバレエ用語を知らないもので)、その時のスピード制御ったら、ただ呆然とするしかない・・・。
私は緊張とカタルシスが同時に展開されているバレエ、と言うことにして許して下さい。皆様はどうお感じになるでしょうか?

ピナ・バウシュはドイツのヴッパタール舞踏団を1973年以来率いている。
従来のダンスに演劇的な要素をコラージュ的に盛り込み、その手法は世界中をあっと言わせ、1986年初来日。
作家・舞踊批評家の乗越たかお氏は「コンテンポラリー・ダンス徹底ガイド」(作品社刊)で「日本におけるコンテンポラリー・ダンス元年」と考えている」と言われている(9ページ)。
それは「勅使河原三郎が日本人としてはじめてバニョレ国際振付コンクールで入賞し、ピナ・バウシュ&<ヴッパタール舞踊団>の衝撃的な来日公演があった年である。
この2つの出来事が、日本の特に若手ダンサーに、決定的な意識革命をもたらした。」(同9ページ)とあるほどに、ピナの手法は斬新だったらしい。
うーん歴史的なことは良くわかりません。
見れば、ひたすらに感動を呼び、ユーモラスなところには笑い、ダンサーの超絶技巧に感嘆し・・・。時間はあっという間に過ぎるわけでございます。
男女の情念的感情(どちらかと言うと女性サイド)を究極のテクニックで表現してる。
しかも国籍の違うダンサーたちだから、踊るスタイルが全然違うわけですね。
インドネシアのディッタ・ミランダ・ヤジフィ、インドのシャンタラ・シヴァリンガッパのダンスは特にすごかったなあ。特徴あるそれぞれのアジア伝統舞踊が生かされ、あきれるほど軽やかに踊る姿はいつまでも見ていたい気持ちになる。
今回の来日を紹介する日本文化財団のチラシに、ピナは、200種類以上の様々な質問をダンサーに問いかけ、彼、彼女たちはひとりひとり考え、答え、最終的にはその膨大な内容をもとに時間をかけてピナ・バウシュによってまとめられて行くとのこと。
他で読みましたが、ものすごくプライベートなことに関わっている質問もかなりあるらしい。
だからこそダンサーはピナと協力しつつ、身体表現にまで感情・思考の流れを至らせることができるのでしょう。私は特に嬉しさとか、楽しさ(例えば男性を好きになった時のわくわくした時の表現)、喜びとか、明るい感情を表現した時が好きです。ピナ・バウシュとヴッパタール舞踊団のダンスを語るなら、なんと言いましょう・・・。
うーん感情、思考という目に見えないもの、しかもダンサー個人々違うそれらを、出身の違うダンサー自身のもつ超絶テクニックによって個性的に身体表現として出現させている踊り。
という感じでしょうか。もちろん、演劇的要素があるので一瞬の物語部分が面白さを倍増させます。


<身体表現というもの>

表現には様々なものがある。
美術にしても音楽にしてもその他諸々。
身体表現というのはよりプリミティブな欲望から来てるように思う。
嬉しかったら飛び上がる!とか、音楽が気持ちよかったらリズム刻んでるとか。誘惑するなら腰振るでしょ、とか(こりゃ偏見か?ジェンダーに縛られてる?)。
そしてそれらが統制されることによってさらに喜びも高度なものになっていく。
皆で踊る時の感情の共有。正確な表現になることによる普遍性の獲得。
言葉がかなわない身体言語よるコミュニケーション。まあ実際、体を動かすのは気持ちいいからねえ・・・。

そういえば昨年10月、東京都写真美術館で「ローザスアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルの25年」というイベントの中に、ヴォキャブラリウムという映像インスタレーションがあった。
ビデオ映像によるアンヌ・テレサの振付言語の解析で、それを思い出した。身体表現をひとつづつ区切って見せるもので、この様々なユニットを組み合わせてダンスが構成されるというわけか。
まだまだ振付言語というものがどういうものなのか私にはよくわからないので、フォーサイスの「インプロヴィゼーション・テクノロジーズ」(慶応大学出版)は面白そうである。
身体言語というものがどういうもので、それらが何を表現するのか。
勿論それは振付師によって違うと思うけれど、知っておいたらさらに面白くなるはず。


<形式の身体化>

ストリート系ダンスも、コンテンポラリーもタップもフラメンコも何でもであるが、やっぱり皆すごいのである。
鍛えに鍛えてそれぞれの方法を身体に覚えこませて、美しいパフォーマンスを見せてくれる。
こういったテクニックはすぐにはできないもの。
だから一言で言うとなんかカッコいい。
マンネリから脱却するにはある形式をものにするという作業が必要なのでしょうか。
その作業そのものは身体化をどこまでも追求していくからマンネリということはありえない。
こりゃ何にでもあてはまること?でも、好き嫌いはあるからねえ、何でも追求できるかというとそれはムズカシイ・・・。
追求するという意志が先か、追求したいものを見つけることが先か。
言語は身体全体をカバーすることができない表現ツールなので、人は何か別の表現手段がどーしても必要なのかも。

といいつつ身体化するには言葉が必要か・・・。まあしかし、余計なこと考えず、いっちょ踊ってみますか!!

posted by alb_blog : 10:52 | アート
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