スラム街に新興のギャングたちが出現。彼らは自分たちのテリトリーを“ゾーン”
と呼んで街を区分化し、それぞれで統治していた。そうしたギャングたちの間には協
定が結ばれて平穏な日々が続いていたが、一部の集団に権力が集中するようになって
均衡が崩れようとしていた。そんなおり、市長に立候補しているスラム街のフィク
サーともいうべき男モーゼが各ゾーンのギャングを招集。若者の票を集めて当選確実
とされている彼は、市長となって見返りを与えるのを条件に自分の支配下に入るよう
ことを迫る。他のギャングたちはモーゼに従うものの、ジョン率いるピュリファイ
アーズだけが提案の受け入れを拒否。怒りに駆られたモーゼは、しもべとなったギャ
ングに彼らの暗殺を指令する。殺気立ったギャングが街にひしめくなか、ジョンは仲
間と共に自分たちの“ゾーン”へと戻ろうとするが……。

のっけからで申し訳ないのですが、これってウォルター・ヒルの名作『ウォリアー
ズ』の丸パクリでした! あちらに出てくる“組”と“シマ”を、こちらでは“ギャ
ング”と“ゾーン”なんて言葉に置き換えただけ。敵対する組織に追跡されながら自
分たちの縄張りに戻るストーリーだけでなく、クールで思慮深くて腕っ節も強いとい
う主人公のキャラクター設定までもが一緒。それでも、格闘シーンなんかは『マト
リックス』や『リベリオン』などを意識したスタイリッシュなものに仕上げているん
ですが、こうしてタイトルが簡単にあがるだけでアレな感じがしませんか? おまけ
に尺を持たせたいのか、それとも画をかっこよくしたいのか、ただのパンチや蹴りを
かったるいスローモーションで見せられる。それも演出が良くないから、高速度で撮
影しているんじゃなくて役者自身が実際にゆっくりゆっくりと動いているようにしか
見えない有様。一応、ジョン役のゴードン・アレクサンダーなる俳優は、イギリスの
映画やテレビでスタントとかアクション監督なんかで頑張っている人物みたいです
が……。これといったドラマの起伏もなしに上記のようなアクションが延々と続くゆ
え、戦いの場面でうっかり眠って途中で目覚めても、また戦いの場面だったりするこ
とが。そんな部分にセンス・オブ・ワンダーを強く感じてしまう作品ではありまし
た。


ちなみに、ジャケットは二丁拳銃でビシッと決めた美女が描かれた『アンダーワー
ルド』丸パクリという代物。とりあえず、本編にも女性が出てくるには出てきます
が、都心じゃないスポーツ・クラブで見掛けるような、エアロビとかティラピスとか
ホットヨガなんかのインストラクター(未婚で異様にハイテンション)って感じの萎
える方々ばかり。そんなわけで、パクリはパクリでもこういうのは正しいと思いま
す。



