
吹いてくる風も温かくて心地よいものとなり、通りにある桜の木も花を咲かすようになりました。そんな“春”を全身で受け止めようとベランダへと出て深呼吸し、藤田朋子がヘアヌード写真集の記者会見でブッ放した「春、うららかな~」の意味が少しだけわかりかけてきた時、その音色は聴こえてきました。
♪ピッ、ピッ、ピッ、ピッ♪ピッピ、ピ~ピ~♪ピッピ、ピ~ピ~♪
文字にするとアレですが、耳に飛び込んできたのはオカリナかソプラノ・リコーダーらしきもので奏でられたドナルド・フェイゲンのファースト・ソロ「ナイトフライ」の1曲目「I.G.Y.」のイントロじゃありませんか! なんだって、これをオカリナかソプラノ・リコーダーらしきもので吹かなくてはいけないのだろう? しかも、巧いじゃない。そう思ってベランダの手すりから頭を突き出し、あわてて上下左右を見回してみましたが、誰が吹いているかなど簡単に判明するわけがありません。おまけに、すでに音色は止んでしまっていました。


数日後、ベランダに出て「菅野美穂が笑いながら猛スピードで町を疾走するチオビタのCMはヤバいよな」と考えていた時、その音色は聴こえてきました。
♪ピピピピ♪ピ~ピ~、ピピピピ~♪
文字にするとアレですが、耳に飛び込んできたのはオカリナかソプラノ・リコーダーらしきもので奏でられたビリー・ジョエルの名曲「ストレンジャー」のイントロじゃありませんか! なんだって、これを口笛でなくオカリナかソプラノ・リコーダーらしきもので吹かなくてはいけないのだろう? そう思ってサンダルを履き、
あわててマンションの郵便受けへとダッシュ。田中健や宗次郎といった、なんか吹いてる人の名前を探してみましたが、いるわけなどありません。でも、自分の住む階に戻るエレベーターでSHOW-YAのsun-goにソックリな主婦と一緒になりました。


さらに数日後、今度は文字にしませんがガンズ・アンド・ローゼスの「スイート・チャイルド・オブ・マイン」のイントロが。意外とオカリナかソプラノ・リコーダーらしきものにも似合うメロディだなと思いつつ、あわててマンション前の通りに出て全ベランダを監視。すると、あのsun-goにソックリな主婦がなにか筒状のものを吹いてました。というわけで、今月は『ラスト・アンドロイド』であります!
2014年に勃発した核戦争によって、地球は潰滅寸前に。それから64年の月日が流れた2078年。戦争で勝利を収めたビシュヴァニアでは、軍事的色合いの強い政府とレジスタンスの間で激しい攻防が続いていた。そんななか、政府の刑務所に収容されていた女性が、ユーリらレジスタンスの手によって連れ去られる。その女性の名前はアイノアといい、未来で起きる出来事を過去の時代へデータとして“送信”する能力を持つアンドロイドだった。政府はアイノアを使って戦争を左右させてきたが、レジスタンスは彼女の能力をたよって過去の戦争そのものの発生を防ごうとしていたのだ。アイノアを連れて逃避行を繰り広げるユーリだったが、政府軍の精鋭たちが彼らに近づいていた……。
オーストリア産のSF映画。イーオン・フラックスな美女がウルトラヴァイオレットしていて、おまけに少しだけジョジョ的ポーズも取っているジャケットですが、そうした要素は薄めと言っていいでしょう。まぁ、「イーオン~」「~ヴァイオレット」を意識したところで、そもそも両方とも面白くないから逆効果じゃねぇの?と
考えてしまうのであります。それ以前に、ヒロインとなるアイノアを演じる女優が醜女すぎるのです。ウィリアム・フォーサイスの妹、もしくはアーネスト・ボーグナインの娘と紹介されても素直に信じてしまうようなルックス。そんなエア鼻フックな彼女を気にしなければ、それなりに未来世界を表現した美術やVFXも悪くないので楽しめるとは思うのであります。






