
ふと、考えてみたら特技などナッシング。
取り出した鼻クソを人差指と親指でこねて煙の一筋でも出せればいいですが、
残念ながら取り出した鼻クソは机の裏にこすりつけるタイプなのです。
そこで、「自分を高めよう!磨こう!」といいようのない焦りに駆られた
30手前の女のごとくカルチャースクールに通うことに。
スポーツ吹き矢、ジャズ空手など、いろいろな講座のなかからチョイスしたのが
“卓上トーテムポールの彫り方”教室であります!
芋版みたいなもんだろうと軽く考えて通い出したのですが、これが大間違い。
とてつもなく講師の方が恐ろしいのです。
ルックスは全盛期の尾崎紀世彦を意識した全盛期の野呂圭介といった感じなのですが、
とにもかくにも厳しいお師匠様モード全開で生徒たちはビクビクなのです。
長い白髪を後ろで束ね、フリンジの付いたスウェードのベストを羽織り、
タテ落ちしたビッグ・ジョンという困惑してしまうジーンズを履いた、この御仁。
とにかくダメ出しがキツいキツい。
「自分だけのトーテムポールを彫れ!」というので、
初期モーターヘッドのメンバーの顔をフィーチャーしたものを掘ったら
「君は舐めてるのか? これはモーターヘッドのトーテムポールじゃないか!
自分だけの感性や人生を反映させたものを掘るんだよ!」と激昂に近い叱咤激励。
それならと、今度はこれまで務めた会社(すべて零細)の社長3人の顔をフィーチャー。
すると、どうでしょう。
「おまえ、舐めてんのか? こけしでも作ってるつもりかよ、ああ?」と本気で激昂。
俺の彫ったトーテムポールの左右の端を握り、力いっぱいしならせていました。
さすがに怖くなると同時に、本当にこけしのほうが合っているのではないかと思案。
今度は“創作こけしの作り方”に通うことに。
すると、どうでしょう。
そこの講師はトーテムポールと一緒の方でした…。
それっぽく作務衣などを着ていましたが、まぎれもなく同一人物。
しかたなく、現在は“具のないスープの作り方”に通っています。
というわけで、今月は『デイヴィッド・リンチ・ワールド DVD-BOX』であります!


リンチといえば、パッと『エレファントマン』やら『ブルー・ベルベット』
最近では『マルホランド・ドライブ』なんかが思いつきます。
でも、デビュー前から現在まで短編も数多く撮っておられるのであります。
このボックスは、デジタルリマスターを施したデビュー作『イレイザー・ヘッド』と
67年から07年までに彼が撮り上げた短編やアニメをコンパイルした4枚組。
全編を覆うノイズの不快度が増した1枚目『イレイザー~』もよろしいですが、
やっぱりキモは、『ザ・ショートフィルム・オブ・デイヴィッド・リンチ』と題された
短編集になっている2枚目と、自身の公式サイトDAVIDLYNCH.COM”のみで発表された
作品群から厳選したものを収めた3~4枚目になるでしょう。
映像と絵画のコラージュ『SIX MEN GETTING SICK』『THE ALPHABET』や
後の作品に似通ったムードが横溢したファンタジー『THE GRANDMOTHER』などは、
ファンならば一度は観たかった作品で涙ものではないでしょうか。
ちょっと前に2枚目の部分だけが海外でDVD化されておりましたが、
それも現在は廃盤となっているだけに買い逃した方は是非といったところ。
3、4枚目は線画のみのヘタウマ・アニメ『DUMBLAND』シリーズも良いですが、
ひたすらブロンド女性がブルネット女性に因縁を付ける『THE DARKEND ROOM』、
リンチ自らが所有するモーターボートの操作手順を不穏なムードで紹介する
『BOAT』が個人的にはお勧めであります。


値段は税込みで15750円。給付金で買おうとしたら3570円のオーバーですが、
この内容だったらそれくらいの足は出ても構わないと思われます!!!!!!

