鬼才パスカル・ロジェが6年ぶりに放つ、映画史上最も不快なトラウマ映画。
姉と妹。過去と未来。事実と虚構。全ての“対比”に罠が張り巡らされている―。
2009年、1本のホラー映画が渋谷の劇場で公開された。その映画は、『マーターズ』。『サスペリア』のダリオ・アルジェント監督も絶賛した壮絶な内容は、瞬く間にホラー・ファンの間で話題沸騰となり、公開から10年経った現在もトラウマ・ホラーの代名詞として名前が挙がる。そして、フランス出身の監督パスカル・ロジェは、鬼才として世界中にその名を轟かせた。本作は、2012年の『トールマン』を経て、6年ぶりにロジェ監督が撮り上げた待望の長編作品。主人公の姉妹が絶望的な惨劇に巻き込まれる様は、女性 2 人を主役に据えた『マーターズ』と通じるものがある。しかし、本作ではさらに全編に張り巡らせた伏線と罠で、観る者を巧みに翻弄していく。ロジェ監督が作り上げた“狂気の迷宮”に、いつ迷い込んだのか。凄惨な恐怖描写は2度と見たくないが、罠にはまったあなたは必ず2回観たくなる―。
僻地に佇む家で、母と双子の娘を襲った凄惨な事件。 それから16年後―。 姉は精神を病み家に囚われ、妹は家を出て幸せを手に入れた。 姉妹がその家で再会した時、あの惨劇が再び幕を開ける―。 などという、ありきたりのホラーでは終わらない―。
人里離れた叔母の家を相続し、そこに移り住むことになったシングルマザーのポリーンと双子の娘。姉のヴェラは、奔放で現代的な少女。一方妹のベスは、ラヴクラフトを崇拝する内向的な少女。双子の姉妹ながら、性格は正反対だった。新居に到着したその日の夜、突然の惨劇が一家を襲う。2人の暴漢が家に押し入ってきたのだ。しかし、娘を守ろうとする母は必死に反撃し、姉妹の目の前で暴漢たちをメッタ刺しにする―。あの惨劇から16年後。ベスは小説家として成功したが、ヴェラは精神を病み、今もあの家で母と暮らしていた。久しぶりに実家に戻ったベスを母は迎え入れるが、ヴェラは地下室に閉じこもっていた。そして、ベスに向かって衝撃の言葉をつぶやく―
クリスタル・マリー・リードは、アメリカ人の女優、モデル。幼少期から演劇の世界で活躍し、高校ではダンス部のキャプテンを務め、「アニー」や「屋根の上のバイオリン弾き」、「グリース」など、活動的に地元のミュージカルに出演した。ウェイン州立大学を卒業し、美術学士を取得した。
映画デビューはハリウッドに進出した2008年。テレビ作品には、ゲスト出演した「CSI：10科学捜査班」、「CSI：ニューヨーク7」、「リゾーリ＆アイルズ ヒロインたちの捜査線」、「HARD TIMES〜ボクのナニがアレなんで〜」などがあり、2013年にはオリジナルビデオ作品『Crush（原題）』にも出演した。
代表作は、「GOTHAM/ゴッサム」のソフィア・ファルコン役や、2011年のMTVドラマ「ティーン・ウルフ」のアリソン・アージェント役。同作では他の出演者とともにヤング・ハリウッド・アワードのベスト・アンサンブル賞を受賞した。
リードが出演した映画作品には、ドナルド・フェイソンやエリック・バルフォーと共演した『スカイライン−征服−』、ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、スティーヴ・カレル、ジュリアン・ムーアらと共演した『ラブ・アゲイン』などがある。
イギリス生まれ。子役として、8歳のとき『ワン・デイ 23年のラブストーリー』のジャスミン役でデビューした。
最もよく知られているのが、2013年の「ドクター・フー」のエピソード「The Rings of Akhaten（原作）」に登場する若き「時の女王」メリー・ゲレル役や、BBCの長編映画『海賊じいちゃんの贈りもの』でのロッティ役。また『パイレーツ・オブ・カリビアン / 生命（いのち）の泉』（2011年）にも端役で出演した。
舞台のデビューは2011年、シアター・ロイヤル・ドルリー・レーンで上演された『Shrek the Musical（原題）』にて、オリジナル・キャストで若きフィオナを演じた。ヘンリー・ジェームズの『The Turn of the Screw（原題）』の舞台版ではフローラ役を務めた。
カナダ人女優。ブリティッシュ・コロンビア大学で美術の学士号を取得。2008年に役者としてのキャリアをスタートさせた。
テレビのホッケー・ドラマ「MVP（原題）」のタビ役で有名。
このほかには、舞台「アンネの日記」でのアンネ役、MTVのテレビドラマ「Skins – スキンズ」のティナ役、戦争ドラマ『Bomb Girls（原題）』のヴェラ・バー役など。
また、フランスのテレビアニメシリーズ「Stoked（原題）」で、ロ・リッジマウントの声も務めた。2010年、フィリップスは「刑事マードックの捜査ファイル」にゲスト出演し、ジェミニ賞にノミネートされた。2013年にはABCドラマシリーズ「Lucky 7（原題）」でリアン・マックスウェル役に抜擢された。
カナダ出身の女優、シンガーソングライター。11歳の時のタレント・ショーで歌を披露し、芸能のキャリアをスタートさせた。高校卒業後、キャスティング・エージェントの演技オーディションを受け、エージェントは彼女との契約に即日サインした。
ヒックソンは、映画『DEMON デーモン』で端役を演じた後、2016年の長編『デッドプール』が出世作となった。『Hunting Pignut（原題）』（2016年）に主演した後、テレビシリーズ「Aftermath（原題）」にも起用された。
ミレーヌ・ファルメールはシンガーソングライターとしてのキャリアを1984年にスタートさせた。今日までに10枚のスタジオLPと6枚のライヴLPをリリースし、世界で1000万枚以上、数多のセールス記録を樹立している。
デビュー当時からミュージック・ビデオの斬新さから、他とは一線を画していた。ビデオは本物の短編映画のようにとても丁寧に作り込まれており、ローラン・ブトナが監督したビデオ「Libertine（原題）」では、ミュージック・ビデオのジャンルに革命を起こし、ファルメール×ブトナの創造的な才能を世間に知らしめた。また「Que mon cœur lâche” （原題）」のミュージック・ビデオでは、著名なフランス人監督リュック・ベッソンともコラボを果たしている。このほか、アベル・フェラーラ、ブルーノ・アヴェヨン、マーカス・ニスペル、チン・シウトン、マイケル・ハウスマン、ジェローム・ダーハンら、多くのアーティストたちとタッグを組んでいる。
フランスの映画監督であり脚本家のパスカル・ロジェは、2本の短編『Tête de citrouille（原題）』（1993年）と『4ème sous-sol（原題）』（2001年）でキャリアをスタートさせた。2011年にはクリストフ・ガンズ監督の時代もののファンタジー・アクション『ジェヴォーダンの獣』に助監督として参加し、同作のメイキングの監督も務めた。ホラー映画の熱狂的なファンであるロジェは、『MOTHER マザー』（2004年）、ホラー・ファンから絶賛された悪名高いカルト映画『マーターズ』（2008年）、ジェシカ・ビールを主演に迎えた初の英語作品『トールマン』（2012年）を監督した。
最新作『ゴーストランドの惨劇』は、ジェラルメ国際ファンタスティック映画祭（マチュー・カソヴィッツ主催）にてグランプリ、観客賞、SyFy審査員賞という、三つの主要部門で受賞を果たした。『ゴーストランドの惨劇』は、ホラージャンルの典型にひねりを加えつつ、テーマに主観的な視点を駆使したダークな寓話だ。
