ILLUSTRATION & COMMENT

ヤマザキマリさんイラスト
夫の両親は北イタリアの広い土地に暮らしており、家族の集会の時には宿泊する親族も少なく無い。遠い地方から来た人が連泊すると、家族で一番口の悪い姑の母親が「客人は生魚と同じだよ、ずっと居るとどんどん臭くなる」などと大きな声で言い始める始末。
全ての登場人物、子供から老人に至るまで、容赦無く仮面の剝がれた家族全員が、それぞれの生きる辛さや葛藤、苦しみを目のあたりにさせられて、戸惑い、泣きわめき、失意に打ち拉がれる。 ああ、なんてイタリア的なんだろう。
ヤマザキマリ(漫画家)
人生はやり直しがきく。 しかし、それを決めるのは自分自身。 恋の始まりと終わり。永久に続く愛。 役者陣の素晴らしい演技と監督に参った。
渡辺えり(劇作家/演出家/女優)
これはドラマチックなイタリア版『マンマ・ミーア!』だ。 ハッピーエンドと言うには複雑なラストだが、それぞれがピュアな心で、前に進んでいく「やり直し」の物語。
パンツェッタ・ジローラモ
(LEON専属モデル/タレント)
色々とわけありの息子が疲れて、母に「普通に生きたいんだ」と言う。すると母は「普通の人生なんてないわ」と答える。世の中、すべての人々の人生はそうなのだ。このセリフ一言が、この優れたコメディの核心だと思う。
内館牧子(脚本家)
家族って、いろいろ大変です。 家族が多いほど、喜びも、悲しみも大きい。 悲しみを、大勢の力で解決できる。 愛情、絆が深まる!家族っていいな。
峰竜太(俳優)
やばい!あと3日船が来なかったら、アガサ・クリスティのような展開になっていたかもしれない。 イタリアの家族愛に殺意を感じたり、初々しい愛を見たり、美しい海と空のもと起こる出来事から目を離せなかった。
森公美子(歌手)
家族って不思議だ。 楽しいけれど面倒な存在。嬉しいけれど憎たらしい存在。 家族であるということは、奇跡なのかもしれない。
石丸謙二郎(俳優)
ふつうに生きたいという息子に、ふつうの人生なんてないわと母。 これってコメディ?ヒーリングムービーです!でも人生ってコメディですね!
江原啓之
(スピリチュアリスト/オペラ歌手)
とにかくカオス! ありとあらゆる愛のカオス! みんな愛にすがって、もがいている。 普通の人生なんてない!!
貴城けい(女優/元宝塚トップスター)
イタリア人の性格を見事に表現している俳優達が素晴らしい。
北村道子(スタイリスト)
嘘で固めた家族。全てをぶちまけた家族。 いがみ合う家族。壊れている家族。愛を見つけた家族。 そんなステキな家族に乾杯! 
片岡亀蔵(歌舞伎役者)
問題に立ち向かってこそ家族。 貪欲でしたたかな人間を、島の美しさが包み込む。 ジメっとしないのが救い!
片岡明美(エッセイスト)
食べることに情熱を注ぎ、飲み歌うことに夢中になり、 愛することに酔いしれる。 嫉妬するほど人生を謳歌するイタリア人がうらやましい!
滝澤麻衣(ワイン雑誌「ワイナート」編集部)
誰もがそれぞれのドラマ=問題を抱え、嘆き、泣き、怒り、罵り合う。帰りのフェリー欠航により、世界一風光明媚な孤島と化したイスキア島で巻き起こる大人たちのそんな人生模様を、ルナとエドアルドという若き2人が冷静に眺めるところに絶妙なリアリティが漂う。 日差しに映えるリアルなイタリアン・ファッションも注目だ。
青野賢一
(ビームス創造研究所クリエイティブディレクター/文筆家)
敬称略・順不同