1929年、まだアメリカが目前に迫った世界恐慌を知らず好景気を謳歌していた頃、米国東部の大学都市ニューイングランドで一人の学者がセックスの神秘を解明するための壮大な実験に取り組もうとしていた。

エドガーは大学を辞め、彼の研究のパトロンである富豪ファルドが所有する広い屋敷で研究を続けている。恋人のクロエは「あなたは概念を愛するだけ」と研究を非難して彼のもとを去ってしまったばかり。しかも、彼の元生徒ピーターが彼女に近づいていて、彼らの間には緊張が高まりつつあった。クロエとピーターは、エドガーのことを自分にしか興味のない、恋愛能力に欠けた男だと見なしていたが、実はエドガーは研究に没頭しながらも、毎夜夢に現れる、恐ろしいほどに美しく、男を性的に支配しようとする夢魔サキューバスに悩まされていた。

実験は何人かの男性を集め、セックスについてオープンにディスカッションさせ、それを2人の若い女性に書き取らせるというものだった。早速、速記係としてアリスとゾエが雇われた。ゾエには嫉妬深いボーイフレンドがいたが、調査団のひとりであるオスカーに色目を使う。対して、男性に免疫のないアリスはゾエの積極的な行動に戸惑う。エドガーは紳士的なインテリに見えながらも、挑発的な制服を二人に着せてディスカッションの速記をさせる。参加メンバーは、女好きの作家モンティ、英国人画家セヴィ、エドガーをライバル視するピーターら。ルールは「ジョークを言わない」「茶化さない」「誘惑しない」。すべては真剣かつ、客観的に討論されなければならない。それを課した上でエドガーは参加者に自由に男女のオルガズムの違い、アナルセックス、そして愛について、極めて真面目に語らせようとする。

しかし、パトロンであるファルドの乱入により事態は思わぬ方向へ。彼はジョークを連発し、議論をわき道に追いやってしまう。しかし、エドガーは金づるであるファルドの機嫌を損ねるわけにはいかない。そして、彼らと速記者との間にエドガーでさえもコントロール不可能な感情が芽生え始める。モンティはアリスに近寄るがエドガーに心を寄せる彼女は相手にせず、一方、ゾエはオスカーへのあからさまな関心を隠さない。ピーターはクロエのことでエドガーを挑発し続け、セヴィはファルドに自分のエロティックな絵画をこきおろされ気に入らない。客観的な討論の場であるはずが、それぞれの発言は一般性を欠き、ますます個人的なものになっていった。

オスカーの新作映画の上映会の後、和やかな雰囲気のなか、調査団は新たに女性の参加者を迎えたあ。セヴィの内気な妻ジャネット、そしてファルドの妻サーシャ。突然のウォール街株価大暴落のニュースに動揺する彼女は辛らつな発言を繰り返す。また、速記者としてそつなく仕事をこなしながらも、アリスはエドガーの裸身をいつの間にか想像している自分に気づく。そして、ゾエとオスカーは、速記者と討論参加者という枠を超え関係を持つようになり、アリスとエドガーも互いに惹かれあうようになる。

恐慌で一切の財産を失ったファルドは、若い頃の雌ロバとのセックス体験を嘘とも本当ともつかない調子で告白し、更なる混乱を巻き起こす。最後の討論の夜、突然の停電に見舞われた彼らは、蝋燭の明かりの下、ディスカッションを続けることになった。薄暗い部屋のなかで討論は激化し、性的な興奮は最高潮に達していく。誰もが言葉による研究に興味を失い、互いを誘惑し、行為でセックスを表現し始める。ファルドとサーシャは揉み合うようにソファーに崩れ、モンティはジャネットと共に別室へ消えた。そして内気な妻の隠された性的衝動をドアの隙間から静かに見つめるセヴィ。オスカーとゾエはセックスをするために彼女のアパートへと去り、冷静なクロエでさえピーターに情熱的なキスを贈る。そして最後にアリスはエドガーに気持ちを込めたキスをして屋敷を去った。

そして、エドガーを残して誰もいなくなり、彼の研究は頓挫してしまう。彼は再び純粋な愛とセックス、そして彼が本当に追い求めているものは何かという深い謎の中に迷い込んでしまった。ファルドは去る前に、エドガーが現実の女より幻想に囚われていることを非難する。そして今、独りになった屋敷であの夢魔サキューバスを迎え入れていた。初めて彼は目を開けて彼女の姿を見ようとする。それはアリスなのだろうか?